Clara Cloudの導入メリットの1つに、その処理パフォーマンスの高さがある。代表的なパブリッククラウドのデータベースサービスの処理性能は数万IOPS程度だが、Nutanixは数十万IOPSと桁違いの処理性能を発揮する。そのため、処理負荷が高い業務システムの移行先として、パブリッククラウドの代わりにClara Cloudを選ぶ企業が多いという。
たとえば、Clara Cloudは電子カルテシステムを稼働させるITインフラとして採用されている。医療データは多くの個人情報を含むため、定められたレギュレーションに沿う必要があり、パブリッククラウドの利用は現時点で明確な基準がない。しかしこれからのデジタル時代にふさわしいITインフラを実現するには、やはりクラウドのメリットは積極的に取り入れていく必要がある。
その点Clara Cloudは、プライベートクラウドに近い形でユーザーがITインフラを事細かに制御できるため、高いレベルのセキュリティを担保でき、医療業界向けシステムとは極めて親和性が高い。また電子カルテやレントゲンの画像データなどは極めて容量が大きいため、パブリッククラウドを利用するとかなりコストが掛かる。この点においても、Clara Cloudは容量当たりのコストパフォーマンスに優れているため、電子カルテシステムの用途にはぴったりだという。
また別の企業では、リモートワーク用にVDI(仮想デスクトップ)のIT基盤としてClara Cloudを採用している。この企業では当初、クラウド上でVDI環境の一部を先行してクラウド上で構築したものの、断続的なフリーズが発生し、VDI全社導入計画が頓挫(とんざ)しかかっていた。
ブラックボックス化している環境がゆえに、原因の特定すらするのが困難であったこと、原因究明中にパブリッククラウド側の仕様変更により、VDIのバージョンアップを迫られたことで、計画が白紙となった。
しかしClara Cloudでは、先行導入時と同じOSで試験ができ、パフォーマンスのボトルネックが解消したことで、無事VDI環境の全社展開にこぎ着けられ、採用に至ったという。
こうした実績を踏まえ、クララオンラインでは今後Clara Cloudの提供を通じて、これまで技術的な問題や予算・人員の制約からクラウド移行やVDI導入に踏み出せなかった中堅・中小企業に対してクラウドの価値を提供していきたいとしている。
「潤沢なIT予算を持ち、自社内に多くのIT要員を抱える企業であれば、さまざまなコストの掛かるクラウド移行もきっと自分たちだけでやり切れることでしょう。しかし多くの中堅中小企業は、クラウドの波に乗り遅れることのリスクは重々承知しつつも、予算や人員、スキルの制約からなかなかクラウド移行に踏み切れずにいます。そうした企業にこそ、ぜひClara Cloudを通じてクラウドのメリットを効率的に手に入れて、これからのデジタル時代にふさわしいITインフラを手に入れていただければと思っています」(小松氏)