マルチクラウドはITインフラ運用の自由度を大幅に向上させるが、その反面、インフラのサイロ化を引き起こし、「可視性の欠如」「運用の複雑化」「セキュリティの脆弱化」といった課題が顕在化する。さらに、マルチアカウントでシステムの原価が把握しづらいことも課題になっていると本田氏は語る。アンケート調査で、企業のクラウド採用意思決定者に「クラウド利用における優先事項」を聞いたところ、
- クラウドサービスのコスト管理と最適化
- アプリケーションごとに最適なクラウドプラットフォームの選択
- クラウド利用のためのポリシー設定(セキュリティ向上)
などが上位にきており、理想のITインフラを構築するために、管理・コスト・セキュリティ面の課題解決が求められていることがわかる。
「ハイブリッド/マルチクラウドでITインフラを構築すると管理対象が膨大になり、すべてを厳密に管理することが困難になります。そこで『いかに重要な部分のみ抽出し、総合的に管理できるか』、すなわち抽象化と統合を積極的に進めていくことが重要になってきます」と本田氏は語り、抽象化と統合を実現するソリューションとしてニュータニックス・ジャパンのハイブリッドクラウド基盤「Nutanix Enterprise Cloud」を挙げる。
「Nutanix Enterprise Cloudは、今までには考えられないほどシンプルになったハイブリッドクラウド基盤です。この製品を活用することで、SANやNASを用いたレガシーなデータセンターから、高価な導入コストや煩雑な運用といったデメリットを取り除き、可用性と拡張性に優れたハイブリッドクラウド基盤を実現できます。さらに、ハイブリッドクラウド基盤の各リソースやアセットを抽象化して『Nutanix Prism』というGUIに統合することにより、レガシーな環境下ではサーバー(VM)40~60台あたりに1名の管理者が必要だったところを、物理サーバー10,000台に1名未満の管理者で運用できるようになります」(本田氏)
クララオンラインが提供するソリューションにおいて、Nutanix Enterprise Cloudはオンプレミス・BCP環境の運用・管理に活用され、マルチクラウド環境の一元管理を支援している。各パブリッククラウドをアセット、使用状況、コスト、性能、可用性、セキュリティといった形で抽象化して、マルチクラウド管理ツール「CloudHearth by VMware」により統合。加えてオンプレミスやBCP環境はNutanix Enterprise Cloudで統合し、各コンポーネントの相互接続をインターコネクションサービス「Megaport」で行うことで、マルチクラウドによるITインフラのサイロ化を解消し、総合的な管理を実現しているという。